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2004年 東京マイスター 受章

豆知識

彫金

彫金(ちょうきん)とは、本来、金属工芸技法(彫金・鍛金・鋳金)の一つで、たがね(鏨)を用いて金属を彫ること意味する。
鉄、アルミ、錫、 銅、真鍮、プラチナ、金、銀、などの金属を主材料にして、装飾や仏具・家具などの飾り金具などを主に制作するための技術である。
技法としては、透かし・彫り・打ち出し・象眼などがあり、彫りや象眼はさらにいくつかの種類にわかれる。
また使用する鏨にも用途別のさまざまである。

・透かし:地金を図案に沿って糸鋸や鏨で切り取ったり、彫り抜く技法。
・彫り :鏨を用いて地金を彫り模様や図案・文字を入れる技法。
・打ち出し :地金の裏から大きく打ち出した後、表から細部を押さえていく技法。
・象眼 :本体の地金に意図する図案の溝を彫り、別の地金を嵌め込む技法。
(大きめの地金を嵌め込む本象眼技、地金の表面に細かい目を入れて表面に金箔や金糸を打ち込む布目象眼技などがある。)

手彫り彫金の起源

前漢代の後期の頃、東方に遠征する人々と共に同行した工人達の技からであろうと考えられている。
貴族や王族の装飾具に使われた彫刻物は、中国や高麗の影響が多く見られ、武具を彩った彫刻は刀工達の仕事と共に刀身の保護を兼ねながら、装飾と外装の必要性から次第に独立し、独自の発展を遂げる。
江戸彫金も当初は日本刀を彩る技法として生まれ、その後、武家の工芸品制作に広がり、江戸時代町人文化の隆盛とともに御輿・かんざし等の工芸へと発展した。
彫金職人は何種類もの鏨を使い分けるが、この道具を扱う技術的な熟練度もさることながら、道具自体を作る技能も作品のうちといわれている。
用いられる工具類は焼入れが行われるが、特に硬い金属をきざむことを目的とされた鏨には、切れ味の優れたものが要求される。
切れる鏨を用いる事によって、それがまた次の独特な技法への発達した。
江戸彫金の基本は銅版に片切りたがねと四分たがね(毛彫りたがね)とを用いて筆で様々な線を描くように直線、曲線を彫り、更には太さ、深さを自由にコントロールすることにより様々なパターンを描き、文字、紋様、絵画的表現、さらには浮き彫りのような表現までを実現することができる。
そして、江戸彫金は時代の変遷とともに伝統工芸から工芸技術へと広がり、現代ではその精緻な造形技術が先進のモノづくり分野で活用されている。

現代で利用される主な道具

・タガネ :タガネをナマシて彫刻してヤキ入れして作る。彫金用には片切り、毛彫り、丸毛彫り。
・キサゲ
・ 磨きヘラ
・ 糸鋸
・ 金槌
・ 木槌
・芯金
・溝台
・ローラー
・リューター : ピット(先端工具)により削り、磨きと使い分ける。
・バフモーター : 作品や工具の磨きに使う。
・ドリル: 穴を開ける。
・彫刻機
・バイス
・ヤスリ: 平良面、丸面、三角面、四角面など様々なものがある。
・奴床(プライヤ)
・ 溶解皿: 金属を溶かす際に使用する。
・バーナー : 通常は都市ガスやプロパンガスで、中には水素と酸素用のバーナーもある。
・ピンセット - 熱い時用、銀金ロウと使い分ける。
・第三の手 : 固定や押さえで使用する。
・鋳造工具
・洗浄機
・磁気バレル - ステンレス針で素材を荒めに磨く。
・メッキ装置
・ゲージ
・ノギス
・電子はかり
・線引盤
・プライヤー
・ニッパー
・すり板
・旋盤
・その他

現代で利用される主な機械

・目盛彫刻機:目盛の彫刻を行うもので、回転しない刃物(バイト)によって目盛線の切削。(直尺用と円周分割用がある)
・平面彫刻機:基本的な汎用彫刻機、平面上に文字や模様を彫刻することが多いが、さまざまな冶具を取り付けて立体面や曲面にも彫刻も可能。
・立体彫刻機:樹脂や石膏で作られたモデルを倣う(ならう)ことで立体物を加工。(メタル彫刻や模様の彫刻に使われ、自動ならい装置を取り付けることによって加工の精密化が図られる)
・NC彫刻機:数値制御による高性能な彫刻機。2次元のものと3次元のものがあり、強力な切削に耐えられるように作られたものはフライス盤やボール盤と同じ用途に使われる。
・放電加工:電極と被加工物(硬い金属等)との間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって被加工物表面の一部を除去する機械加工の方法。(被加工物が電気を通す材質(導体)でなければ加工できない、また放電加工面は溶解・再凝固を繰り返すため脆化する傾向がある)
・レーザー加工:レーザー光を利用した加工装置、刃物や掘削用具の摩滅による交換は不要でワークに対し物理的に応力がかからないので、ワーク変形や破損の心配がなく型の製作が不要なので多品種少量生産に向いている。導入コストが高額であったり、利用する波長によっては目に見えないので間違えて失明する危険があるというリスクもある。

彫刻機の発達と手彫り刻印

彫刻機が初めて作られたのは1825年イギリスのウイリアム・バッハによるもので、それは印刷活字用であった。
我が国には、大正初期に米ゴルドン社の彫刻機が印版会社に導入された。
国産が開始されたのは大正10年で、光学用と目盛用のものが作られた。
昭和の初め頃からは軍需が増大し、国内需要は国産機に全面的に頼らざるをえなくなっていた環境の中、国産メーカーのほとんどが独デッケル社の汎用彫刻機をコピーしていた。
当時の需要の中心は計器の目盛、光学機器の目盛などであった。(ローラーアタッチメントもこの頃国産化)
その後、昭和27年頃には立体彫刻機や多軸彫刻機も初めて国産化される。(主に時計やカメラ、ラジオが大量生産されるようになったことで、それに関わる製品彫刻の需要が爆発的に増大した)
昭和30年代中頃からプラスチック産業が大きく成長し、それまで切削加工が中心だった加工業界も塑性加工、成形加工が増え、金型の需要が増大した影響で金型彫刻が増えた。
身近なもののほとんどが成形加工によって作られるようになり、より精密な成形加工の必要性が生まれ、年々高い精度が要求されるようになり、昭和47年には数値制御(NC)彫刻機や自動立体彫刻機が誕生した。機械や技術の進歩が工業彫刻の成長を加速度的に促進し、これに伴い彫刻機の用途も多様化(大量生産を目的、高度な精密さが目的)した。
しかし、多年の経験や熟練がなければ得られない高度な匠の技といわれる加工は、まだまだ人の手による「ものづくり」として現代に伝統という形でいきづいています。

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